日本人は、「八百万の神」という言葉に表されるように、山や森の中などの自然や自然現象を神様として崇拝することがよくあります。

そのように複数の神を信じる宗教を多神教と呼びます。

一方、一神教と呼ばれるｲｽﾗｰﾑでは「唯一の神」を信じ、それ以外の人間や自然、物を神として崇めることはしません。太陽から塵に至るまで、すべてのものを創造し、調和させ、統率している存在がある、そしてそのお方は唯一であると信じています。

偶像を神として崇めることもしません。

人間が作った像は、いくらお金をかけて最高級の材質で作っても、人が祈願する声を聞くことはできないし、人に何もしてくれません。自身についた埃を自分で払うことさえできないのですから。

キリスト教も「一神教」とされていますが、キリスト教では「父なる神」「子なる神（ｲｴｽ）」「聖霊なる神」の三つの神をまとめて一つの神というそうです (三位一体)。

違いは、ｲｽﾗｰﾑでは神は完全に唯一であることです。

イエス・キリストが使っていたアラム語でも、神は「アッラー」のような発音。

●アッラー以外にも99の呼び方があります。

アッ・ラフマーン （慈悲深き）、　アル・アズィーズ （強力な、威力並びなき）、　アル・カリーム （寛大なる）、　
アル・ハック （真理）、　アル・ハミード　（称賛される）、　アル・マジード （荘厳なる）、　アル・ハキーム （叡智ある）、　
アッ・ラシード （正しい道に導く方） など

99 Names of Allah by Search Truth

これらは頭に「アブド」（しもべ）をつけて人名にも用いられています

例　アブドッラー　（アッラーのしもべ）、アブドッ・ラフマーン（慈悲深き方のしもべ）

●神は唯一で、神と並べて崇拝されるものは何もありません。

言え，「かれはアッラー，唯一なる御方であられる。 アッラーは，自存され， 御産なさらないし，御産れになられたのではない， かれに比べ得る，何ものもない。」 〔聖クルアーン 112 - 純正章1-4〕

アッラー（swt）　(*注) はすべてのものの前に存在し、アッラー（swt）だけが存在しました。

アッラー（swt）は創造されたのでもなく、父母も家族もない。子もいません。

「時」に影響を及ぼされることはありません。時はアッラー（swt）につくられました。過去、現在、未来、永遠に存在。

アッラー（swt）が何かを望むとき、「あれ」と言うだけでそれは在ります。
宇宙のもっとも小さな原子からもっとも大きな物までは彼の意図によって存在、すべてのものを統率されます。

何も彼に似ているものはなく、人間の想像力はアッラー（swt）の概念に達することはできません。

*注"（swt）":"ｽﾌﾞﾊｰﾅﾌﾜﾀｱｰﾗ"「至高なる讃えられるべきお方」という意味で、アッラーの名に言及する際に続ける言葉

かれこそは、アッラーであられる。かれの外に神はないのである。かれは幽玄界と現象界を知っておられ、慈悲あまねく慈愛深き御方であられる。 かれこそは、アッラーであられる。かれの外に神はないのである。至高の王者、神聖にして平安の源であり、信仰を管理し、安全を守護なされ、偉力ならびなく全能で、限りなく尊い方であられる。アッラーに讃えあれ。（かれは）人が配するものの上に（高くおられる）。 かれこそは、アッラーであられる。造物の主、造化の主、形態を授ける（主であり）、最も美しい御名はかれの有である。天地の凡てのものは、かれを讃える。本当にかれは偉力ならびなく英明であられる。 〔聖クルアーン 59 - 集合章（アル・ハシュル）章22-24〕

●アッラー（swt）は寛容でたびたび許してくださるお方です。　

「慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において」 بسم الله الرحمن الرحيم

クルアーンのほとんどの章がこの言葉で始まっています。
ムスリムは何かしら物事を始める際にこの文句を口にします。

●神は人間への愛にあふれた方です。

どのくらい愛してくださっているかは、
地上にあるものも空にあるものも、あらゆる被造物は神が人間のために用意してくださったものであることからも明らか。

人間をある点では天使よりも優れたものにしてくださいました。　

こんなに多くのものを与えられた人間に課せられているのは、ただ、「アッラーのみを崇める」ということだけ。
しかも、信じていない人たちにもその恵みを享受させてくださっている。

審判の日にも、罪を犯した人間もできるだけ地獄の火から救おうと慈悲をかけてくださるそうです。

次のようなハディース・クドシィー（伝承）があります**************

大地がアッラー（swt）に頼みました
「地上でこんなに悪いことばかりしてあなた様に従わない人間をすべて飲み込んでしま いたいので、そうしてもよいと許しをください」と。

空も、同じことを言って、「人間の上に落ちてもいいという許しをください」と頼んだそう。
でもアッラー（swt）は人間への愛のためにそれを許さなかった。**************

●アッラー（swt）は誰よりも近くにいます

われのしもべたちが，われに就いてあなたに問う時，（言え） われは本当に（しもべたちの）近くにいる。かれがわれに祈る時はその嘆願の祈りに答える。 〔聖クルアーン 2. 雌牛 (アル・バカラ)章186〕

本当にわれは人間を創った。 そしてその魂が囁くことも知っている。われは（人間の）脛動脈よりも人間に近いのである。 〔聖クルアーン 50. カ―フ章16〕

アッラー（swt） The Conditions of Laa Ilaaha Illallah 翻訳中
The Conditions of Laa Ilaaha Illallah　

ムハンマド（saw）*注　と同じ。
それは英語表記 Mohamet に由来しているものですが、最近では英語でも Muhammad，Muhammed　と書かれることが多いです。

*注　"（saw）":"彼に平安がありますように"
ムスリムが預言者ムハンマドの名に言及する際に続ける言葉

●預言者の封印

神によって遣わされた数多くの預言者のうち、最後の預言者です。

神でも神の子でもありません。

●誕生、子ども時代

預言者イブラーヒーム（アブラハム）の長男、イスマーイール（イシマエル）の家系です。

マッカ（メッカ）に生まれたとき、父親はすでに亡くなっていました。母親もまだ幼少だったときに亡くなったため、祖父に育てられ、祖父の死後は伯父にひきとられました。

●預言者として召命

25歳くらいで結婚した後は商人として成功し、妻ハディージャ（ra）と幸せな家庭を築きました。

二人の間に授かった子どものうち、息子は幼いうちに亡くなりましたが、四人の娘は成人しました。

40歳くらいの頃、ムハンマド（saw）はよく洞窟で瞑想することがありましたが、突然、大天使ジブリール(ガブリエル)を通じて啓示が下りました（西暦610年）。

これがその時下された啓示です。

読め，「創造なされる御方，あなたの主の御名において。 一凝血から，人間を創られた。」 読め，「あなたの主は，最高の尊貴であられ， 筆によって（書くことを）教えられた御方。 人間に未知なることを教えられた御方である。」 〔聖クルアーン 96. 凝血 (アル・アラク)章1-5〕

初めて啓示を授かった 《ヒラーの洞窟》 Islamic Picture Gallery （

それはムハンマド（saw）にとってたいへん恐ろしい体験でした。
自分に何が起こったのか分からず動揺し、慌てて家に帰ると、妻ハディージャ（ra）に起こった事を話しました。

ハディージャ（ra）は正直な夫の言葉を信じ、従兄弟でキリスト教徒であるワラカ・ブン・ナウファルのところへ行きました。

ワラカはムハンマド（saw）の体験を知ると、「それは天使ガブリエルである」と教え、
「あなたは、以前の預言者がそうであったように、追放されるでしょう。わたしがもっと若かったなら、あなたを支え助けるのだが！」と言いました。
ワラカは年老いていたので、間もなく亡くなり、ムハンマド（saw）の布教を見守ることは叶いませんでした。

どのようにイスラムの祈りへ

●布教開始後

ワラカの知っていたとおり、ムハンマド（saw）の生活は布教前と比べて厳しいものとなりました。

迫害され、生命の危険に脅かされるほどになったので、
生まれ故郷を出てマディーナ（メディナ）へ移住。

現在のマディーナにある《預言者（saw）モスク》 (ぐるり360度の写真）

しかしその後、神のご意志により、ムハンマド（saw）の存命中にイスラームはアラビア半島のほぼ全域に広がりました。

それでもなお彼は食べ物にも困るほどの質素な生活を送り続けました。

ムハンマド（saw）が名誉や富、権力を求めてイスラームを広めたのでないことは明らかです。

●役割

商人としての経歴だけでなく、ほかの預言者と同様に羊飼いをしたこともあります。
政治家であり、軍人であり、教師であり、父、夫でもありました。

そして、預言者として、アッラーの許しにより私たちが従うべき存在です。

あなたがた信仰する者よ，アッラーに従いなさい，また使徒とあなたがたの中の権能をもつ者に従え。あなたがたは何事に就いても異論があれば，アッラーと終末の日を信じるのなら，これをアッラーと使徒に委ねなさい。それは最も良い，最も妥当な決定である。 〔聖クルアーン 4. 婦人 (アン・ニサーア) 章 59〕

信仰する男も女も，アッラーとその使徒が，何かを決められた時，勝手に選択すべきではない。アッラーとその使徒に背く者は，明らかに迷って（横道に）逸れた者である。 〔聖クルアーン 33. 部族連合 (アル・アハザーブ) 章 36〕

また使徒があなたがたに与える物はこれを受け，あなたがたに禁じる物は，避けなさい。 〔聖クルアーン 59. 集合 (アル・ハシュル) 7〕

われがあなた（ムハンマドsaw）にこの訓戒を下したのは，且つて人びとに対し下されたものを，あなたに解明させるためである。 〔聖クルアーン 16. 蜜蜂 (アン・ナフル) 44〕

●預言者の伝承集成

預言者ムハンマド（saw）の行動はムスリムがお手本にする規範となっています。

本当にアッラーの使徒は，アッラーと終末の日を熱望する者，アッラーを多く唱念する者にとって，立派な模範であった。 〔聖クルアーン 33. 部族連合 (アル・アハザーブ)章21〕

その慣行（アラビア語でスンナ）は言行録（アラビア語でハディース）としていくつかの本になっています。

神の使徒は「マリアの子イエスを崇めたように、私を崇めてはならない。むしろ、神の僕、神の使徒と呼ぶようにせよ」と言った 〔イスラーム伝承『ブハーリー』〕

ハディース（伝承） 200のハディース
40のハディース

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今日われはあなたがたのために、あなたがたの宗教を完成し、またあなたがたに対するわれの恩恵を全うし、あなたがたのための教えとして、イスラームを選んだのである。 〔聖クルアーン 5 - 食卓章（アル・マイーダ）3〕

●イスラームは、日本人が「宗教」という時の枠には収まりきらず、生活全般に及ぶので、「イスラム教」よりもしばしば「イスラーム」「イスラム」と呼ばれます。

●イスラームは新しい宗教ではありません

かれがあなたに定められる教えは，ヌーフに命じられたものと同じものである。 われはそれをあなたに啓示し，またそれを，イブラーヒーム，ムーサー，イーサーに対しても（同様に）命じた。 〔聖クルアーン 42 - 相談章13〕

ヌーフ･･･････････ノア イブラーヒーム････アブラハム ムーサー････････モーセ イーサー････････イエス

*注:「どうしてイエスが、奴隷であるモーセの後に挙げられているのか?!」とキリスト教徒の方からお怒りの声がありましたが、これは時代順と思われます。

また、ムスリムはこれら預言者たちの間を差別しません。神に選ばれた預言者たちみなを尊敬します。

アッラーの宗教の外に、他（の宗教）を求めるというのか、天と地にあるものは、好むと好まざるとを問わず、只かれに服従、帰依し、かれ（の許）に帰されるのである。 言え、「わたしたちはアッラーを信じ、わたしたちに下されたものを信じ、またイブラーヒーム、イスマーイール、イスハーク、ヤアコーブおよび諸支族に下されたものを信じ、またムーサーとイーサーと（その他の）預言者たちに主から授かったものを信じます。わたしたちはかれら（預言者たち）の間に、どんな差別もしません。わたしたちは、只かれに服従、帰依します。」 イスラーム以外の教えを追求する者は、決して受け入れられない。また来世においては、これらの者は失敗者の類である。 [聖クルアーン　3. イムラーン家章 83-85]

イブラーヒーム････アブラハム イスマーイール･･･イシマエル イスハーク･･････イサク ヤアコーブ･･･････ヤコブ ムーサー････････モーセ イーサー････････イエス

●「イスラームは難しい」と思われることがよくありますが、本当は易しいのです。

アッラーはあなたがたに易きを求め，困難を求めない。 〔聖クルアーン 2 - アルバカラ章185〕

預言者も言いました。

「イスラームは行うに易しい教えであるから、掟を守るのにあまり厳格にならぬよう。さもなければ、人は耐えられない。 それで正しい方向を目指し・・・」 〔イスラーム伝承『ブハーリー』〕

Z②礼拝

ムスリムの集団礼拝のようす

Z③ラマダーン月の断食

Z④喜捨

Z⑤巡礼

イエスは聖クルアーン中に「イーサー」（as）（*注)という名で、神に遣わされた偉大な使徒の一人として出てきます。

イーサー（as）に関する記述は聖クルアーン中に多数あります。

*注:「ｱﾗｲﾋｻﾗｰﾑ」"彼に平安がありますように"
ムスリムが預言者の名に言及する際に続ける言葉

イスラームでは、イエスに父がいないのはアダムに父母がいなかったことと同じで、
お望みなら何もないところから何でもお創りになられる神の力を示すもの。

父母なしに誕生したからといってアダムを神として崇めないのと同じく、イエスも神に遣わされた一人の預言者としています。

●ハディース（預言者の言動に関する伝承）中のイエス（as）

預言者ムハンマド（saw）は言いました、

イーサー（as）に関する伝承もたくさんありますが、一つを例に挙げます。

イエス（as）は、旧約聖書中のことを確証するために、神に遣わされ

ムハンマド（saw）は、イエスのもたらしたものを確証するために、神に遣わされました

聖クルアーンには、イエスの母マリヤ（アラビア語でマルヤム）にちなんだ、「マルヤム章」という章があります。
それ以外の章にもマルヤムの名はたくさん出てきます。

●マルヤム（as）の誕生

新約聖書にはマリヤの誕生について何も書かれていないようです　（外典『ヤコブ原福音書』には父ヨアキムと母アンナという名前がある）。 クルアーンには次のように書かれています。

●ハディース（預言者の言動に関する伝承）中のマリヤ（as）

預言者ムハンマドは人類の中で完全な女性として次のように２人を挙げました。

ムスリムとは、「帰依する人」という意味のアラビア語。

唯一の神。万物の創造主。全知全能。

アッラー，かれの外に神はなく，永生に自存される御方。仮眠も熟睡も，かれをとらえることは出来ない。天にあり地にある凡てのものは，かれの有である。かれの許しなくして，誰がかれの御許で執り成すことが出来ようか。かれは（人びとの），以前のことも以後のことをも知っておられる。かれの御意に適ったことの外，かれらはかれの御知識に就いて，何も会得するところはないのである。かれの玉座は，凡ての天と地を覆って広がり，この2つを守って，疲れも覚えられない。かれは至高にして至大であられる。 〔聖クルアーン 2 - アルバカラ章255〕

Z２．天使

アッラー（swt）に服従、アッラー（swt）を崇拝する性質を元々備えています
（人間のように「アッラーを信じる、信じない」という感情をもたない）。

本当にあなたがたの上には2人の看守（天使）がいるが，かれらは気高い記録者で，あなたがたの所行を知っている。 〔聖クルアーン 82アル・インフィタール章10-12〕

言ってやるがいい（ムハンマドよ）。「ジブリールに敵対するのは，誰であるのか。本当にかれこそは，アッラーの御許しにより，先にあるものを確証し，また信者への導き，吉報として，あなたの心に（主の啓示を）下す者である。 〔聖クルアーン 2 - アルバカラ章97〕

ジブリール････ガブリエル（天使の名前）

Z３．啓典

(1)　アブラハムの啓典
(2)　モーセの律法
(3)　ダビデの詩篇
(4)　イエスの福音書
(5)　聖クルアーン
を信じます。

ただ、「聖クルアーン」以外の書は後世、改ざんされた箇所があるとみなしています。

たとえば聖書には多くの種類がありますが、聖クルアーンは全世界で一つだけです。啓示が下ってから現在まで、一字も書き換えられていません。

各国語に翻訳されたものも、「聖クルアーン」とみなされません。「聖クルアーン」は啓示されたアラビア語で、啓示されたままに書かれた原典のみです。

これは本当に，昔の啓典にあり，イブラーヒームやムーサーの啓典にもある。 〔聖クルアーン 87. 至高者 (アル・アアラー) 章18-19〕

イブラーヒーム・・アブラハム、ムーサー・・モーセ

しかしこの（クルアーン）以前にも導きがあり，慈悲であるムーサーの啓典（律法）があった。それにこれは，アラビア語でそれを確証する啓典で，悪業をなす者への警告であり，また善行に勤しむ者ヘの吉報である。 〔聖クルアーン 46. 砂丘 (アル・アハカーフ)章12〕

聖クルアーンのページもご覧ください

Z４．使徒

ノア、アブラハム、イシュマエル、イサク、ヤコブ、モーゼ、イエス（彼らに平安あれ）とその他の神の使徒、預言者を信じます。ムハンマドがそのうちで最後の預言者です。

言え，「わたしたちはアッラーを信じ，わたしたちに啓示されたものを信じます。またイブラーヒーム，イスマーイール，イスハーク，ヤアコーブと諸支部族に啓示されたもの，とムーサーとイーサーに与えられたもの，と主から預言者たちに下されたものを信じます。かれらの間のどちらにも，差別をつけません。かれにわたしたちは服従，帰依します。」 〔聖クルアーン 2 - アルバカラ章136〕

イブラーヒーム････アブラハム、イスマーイール････イシマエル，イスハーク････イサク，ヤアコーブ････ヤコブ、ムーサー････モーセ、イーサー････イエス

Z５．審判の日

人々はこの日、神によって復活され、審判を受けます。

本当に裁きの日は定められていて，その日，ラッパが吹かれるとあなたがたは群をなして出て来る。 〔聖クルアーン アン・ナバア章17-18〕

あなたがたは，われが戯れにあなたがたを創ったとでも考えていたのか。またあなたがたは，われに帰されないと考えていたのか。」 〔聖クルアーン 23. 信者たち (アル・ムウミヌーン)章 115〕

The reality of belief in the Last Day

Z６．宿命

全知の神はその人間が何を選ぶか、どの道を行くか知っています。
それでも何を選択するかは意思を持った人間に任されているのであり、宿命だからといって投げやりになってはいけません。
「人事を尽くして天命を待つ」ということわざと似ているのではないでしょうか。

アブー・フライラによると、預言者は言った。 「いと高き神は仰せられた 『人間は運命を呪い、わたしを非難するが、わたしは運命であり、すべてのものを司り、昼と夜を交替させる』と」と。 〔イスラーム伝承『ブハーリー』〕

豚肉以外の肉はアッラーの御名によって屠殺されたものを食べます。

屠殺の方法・・・鋭い刃で一気に首を切ります。それ以外の方法で、ゆっくりと殺すことは許されません。動物が苦しみを感じることなく殺さなくてはなりません。刃を十分に研ぐ必要がありますが、屠ろうとする動物の目の前で刃を研いで動物に恐怖心を与えてはいけません。

聖典を戴いた民（ムスリムのほか、キリスト教徒とユダヤ教徒）の食物はムスリムに許されており、ムスリムの食物も彼らに許されています。

ムスリムの多い地域では食品に「ハラール･フード」の印がついているものが売られています。

ハラールとは、「許された、合法な」という意味のアラビア語で (反対はハラーム)、ハラールフードというと、ムスリムが食べることを許されているもの。

また、審判の日も、たとえば「両親の罪を代わりに私が負いますから、どうか彼らの罰を軽くしてください」とお願いしてもむだです。その人の罪はその人以外に負うことはできません。

〔イスラーム伝承『ブハーリー』より〕

たとえば、自分の家族が傷つけられ殺されているとき、ただ黙って見ていることはできないと思います。自らの生命が危機にさらされてもどうにかして抵抗しようと試みると思います。

アメリカはアフガニスタンやイラクで　(そして広島、長崎で、世界中で)、９．１１の犠牲者数の何百倍にも及ぶ人命を奪いました(単純に数だけで比べられるものでもありませんが)。

ムスリム(イスラーム教徒)も家族、同胞が生命の危険に脅かされているのをそのままにしておけず、手にできる限りの武器をもって抵抗します。その武器は� ��頑強な戦車に対して、ただの石ころしかないときもあります。アメリカやイスラエルの軍事力にはとうてい及ばないものですが、そのように抵抗することも、テロと呼ばれているのだと思います。

******
上は、「イスラームの教義には『イスラームに帰依しない者は抹殺しても良い』というのがあるからムスリムはテロをおこす」とおっしゃった方への返事です。

参考：パレスチナ人たちの「投石」によるイスラエル支配への抵抗闘争
：インティファーダ

（でも、戦車や銃に対抗するために石ころを投げると逮捕されてしまうので、最近は書いて字にあらわしたり、声にあげて訴えることしかできません。）

アフガニスタンは経済制裁下にあり、多くの幼い命に対して国連に人道援助を求めていましたが、十分な援助が得られませんでした。
その一方で、国連は仏像の保持のために二百万ドルの支援を決めました。

そこでタリバーンは、「人命より仏像が大事ならそんな金はいらない」と仏像を破壊しました。
そういうことも決して報道されず、ただ暴虐なイメージだけが植えつけられるように操作されているのですよね。

それに、アフガン女性が着用しているブルカ。

頭からつま先まで全身を覆う衣が、日本や欧米から、タリバーンによる女性抑圧の印だと非難されていますが、
同じ格好を義務付けている親米国家サウジアラビアはタリバーンのようには非難されていません。

要はアメリカが仲間とみなしているかどうかということ。

　ビデオ　The Truth About Our Brothers Taliban　（同）　（同）

以下は2001年に行われた、パキスタンでアフガン難民の医療活動に携わる医師・中村哲氏（クリスチャン）の講演会「孤立のアフガン」からの引用ですが、
タリバーン＝悪者　のイメージが作られているしくみの一部を窺うことができます。

崇拝の対象とする誤った行為を避けるためにも、人物や生き物の絵・像は飾りません。

では、世界で一番強いとみなされているは国は神様を信じていない人、信仰を持っていない人で成り立っているのでしょうか。

超大国アメリカにいる人の多数は宗教心の厚い人々です。「神様を信じている人は弱い」という考えはまずありません。

ヨーロッパの一部では、この考えはむかし一時ありましたが、今ではそんなふうに言う人はいないそうです。

こんなことを言う人は、一体ご自分がどれだけ強いと信じていらっしゃるのでしょう。
人間は、誰でも、自分の体（であると思っている体）さえ思い通りにできない弱い� �在ではありませんか。

信仰を持っている人のことを「迷っている」と言って笑うのも、クルアーンに書いてあるとおりなのですが

〔聖クルアーン 9. 悔悟 (アッ・タウバ)章31〕

イスラームにおいて女性がどれだけ守られているかを知ったら、きっとびっくりなさることでしょう。

そしてその時になって、イスラーム世界の外の女性が、たとえ暴力は受けていない場合でも、他の方法でどんなに不当な目に遭っていることかが分かると思います。

ムスリム女性は、私たちの社会では想像もつかないほどの権利を与えられ、厚遇されているからです。