2012年5月17日木曜日

暦の話題


暦の月名の由来や月の日数はなぜ30日と31日にきまったのであろうか.2月だけ28日なのは?
その説明をするには,現在我々が使っている暦「グレゴリオ暦」のもとになった,古代ローマの暦の話から始めなければならない.
ロムルス暦

1月

  Martius

31日

2月

  Aprilis

30日

3月

  Maius

31日

4月

  Junius

30日

5月

  Quintilis

31日

6月

  Sextilis

30日

7月

  September

30日

8月

  October

31日

9月

  November

30日

10月

  December

30日

11月

・・・・・・・・・・・・

12月

・・・・・・・・・・・・

1年

・・・・・・・・・・・・

304日

古代ローマで,はじめて暦がつくられたのは紀元前8世紀で,前753年にローマ建国の祖といわれるロムルス(Romulus)により作られた.これをロムルス暦という.
当時のローマ人たちの生活というのは,農耕面でも軍事面でも,活動を始めるのは,暖かくなる季節,すなわち現在の3月ごろからであったらしい.11月,12月は寒さも厳しく,まさに冬ごもり期で,名付ける価値も無い名無し月の日々だったのであろう.
現在の3月を一年の初めとしたのであれば,5月がラテン語の「quinque」,6月が「sex」,7月が「septem」に由来していることがわかる.また,8月は,ラテン・ギリシャ語の「oct」,9月は「novem」で,10月はラテン語の「decem」からつけられた.
第1月から第4月までは,ローマ神話 の神々の名にちなんでつけられた.第1月は戦いの軍神マルス(Mars)を称え,第2月は春と美の女神アプロディーテー(Aphrodite)を,第3月は豊饒の神マイア(Maia)を賛美し,第4月は母なる結婚の神ユノー(Juno)にささげる月として名付けられた.
では,現在使われているSeptember,October,November,Decemberは2ヵ月ずれているのであろうか.
グレゴリオ暦の生みの親に当たるロムルス暦は,冬の酷寒の頃に日付が無いため,春になって第1月を始めるに当たって月の満ち欠けを基準にするとしても,春の嵐や豪雨が続けば,まったく目安がつかない.大切な主要行事に狂いが生じてきて,不便であった.
 

ヌマ暦

1月

  Martius

31日

2月

  Aprilis

29日

3月

  Maius

31日

4月

  Junius


あなたは、キリスト·イエスの説教アウトラインに誰である

29日

5月

  Quintilis

31日

6月

  Sextilis

29日

7月

  September

29日

8月

  October

31日

9月

  November

29日

10月

  December

29日

11月

  Januarius

29日

12月

  Februarus

28日

1年

・・・・・・・・・・・・

355日

この欠点を補って改められたのが「ヌマ暦」である.
ロムルスの後を継いだローマ皇帝ヌマ・ポンピリウスは,紀元前8世紀の終わりにロムルス暦に第11月「Januarius」と第12月「Februarius」の2ヵ月を加えて一年を12ヵ月としたのである.
一年の日数は,月が地球のまわりを一回転する日数を基準にすると,満月から満月までの一ヶ月は約29.5日であるから,12ヵ月では29.5×12=354日となる.354日とはなるが,ローマでは,奇数を尊び,偶数を嫌っていたため,354日に勝手に1日を加えて,355日を一年としたのである.
ところで,第12月だけが28日しか貰えなかったのはなぜだろうか.
ヌマ暦では,一年355日からロムルス暦の304日を引いた残り51日を,新たに設けた2た 月に振り分けることにした.しかし,ロムルス暦で六つあった30日の月から1日ずつ減らして29日としたので,振り分け可能な日数は51日に6日を加えた57日しかなく,第11月Januariusに29日を振り分けると,28日しか残らなかったわけである.一年を一日増やして356日として,奇数の月をたてるか,年を奇数にするかということになり,結局355日に軍配が上がったようである.
それから600年もの間ヌマ暦では年の初めがロムルス暦と同じ「マルティウス(Martius)」で始まる12ヵ月のサイクルが続いた.そして,紀元前153年になってはじめて,「ヤヌアリウス(Januarius)」を第1月つまり年初とする暦に変えられたのである.これを「ヌマ暦の改革」という.
「ヤヌアリウス(Januarius)」という名は,ローマの門神ヤヌス(Janus)を称えて命名されたものである.ヤヌスは行動をつかさどる神でもあったため,このヤヌスの月が年初としてもっともふさわしいとされたのであろう.

ヌマ暦の改革

1月

  Januarius

29日

2月

  Februarus

28日

メルケドニウス       22日,23日

3月

  Martius

31日

4月

  Aprilis

29日

5月

  Maius

31日

6月

  Junius

29日

7月


嘆願は何を意味するのでしょうか、聖書、ピリピ人へは

  Quintilis

31日

8月

  Sextilis

29日

9月

  September

29日

10月

  October

31日

11月

  November

29日

12月

  December

29日

1年

・・・・・・・・・・・

355日

ヌマ暦は,一年が355日からなる暦であったが,月の運行に合わせてつくった太陰暦のため,太陽の実際の動きと異なり,一年で11日の差が生じることになった.そこで,2年ごとに,交互に22日と23日の閏月を加えて,季節との移り変わりと合うようにした.この閏月を「メルケドニウス(Mercedonius)」という.
そこで,この閏月をどこに入れるかだが,「ヤヌアリウス(Januarius)」が1月になったものの一般のローマ人は,相変わらずかっての正月「マルティウス」から一年がはじまり,かっての最終月「フェブルアリウス」をもって終わるものと思っていた.また,ローマ帝国を守ってくれる神「テルミヌス(Terminus)」に感謝する祭り「テルミナリア」をヌマ暦改革前の年末第12月「フェブルアリウス 」の23日に行っていた.そして,この祭りで国家の隆盛を感謝する祭りが幕を閉じたときに一年が終わる,と考えられていたため,2月23日の翌日から1日,2日と始まり,22日か23日たって閏月が終わると,暦はふたたび2月にもどって24日,25日とつづいたのである.
シェークスピアの戯曲などでもよく知られているユリウス・カエサルJulius Caesar)(シーザー,前102年生まれ:右図) は独裁者として,あらゆる権力を手中におさめたが,カエサルも暦には大いに関心があったらしく,1年365日の暦をつくった(前46年).
この暦が「ユリウス暦」である.
古代ローマの為政者たちは,みずからの功績や名声を後世に残すには暦に限ると思っていたらしく,自分の誕生した7月を自分の名前にちなんで「ユリウス(Julius)」と改名してしまった.
 

ユリウス暦

1月

  Januarius

31日

2月

  Februarus

29日

3月

  Martius

31日

4月

  Aprilis

30日

5月

  Maius

31日

6月

  Junius

30日

7月

  Julius

31日

8月

  Sextilis

30日

9月

  September


この曲は、そのレポート信じています

31日

10月

  October

30日

11月

  November

31日

12月

  December

30日

1年

・・・・・・・・・・・・

365日

ところでカエサルは,一年を365.25日と決めたために,4年ごとに一日の閏日を入れて,一年366日の閏年を設け,現在の太陽年に極めて近い暦が誕生することになった.
はじめカエサルは,2月末日に閏日を置こうとしたらしいが,テルミナリアを年末とする習慣があまりにも根強かったのと,軍神の月,「マルティウス」の前日という目立つ時期に閏日が入るのは面白くなかったのか,結局,閏日は閏月「メルケドニウス」の場合と同じように,テルミナリアの23日と翌24日との間にはさむことにしたのである.
カエサルの死後,ユリウス暦の閏年の置き方を間違えることがあって,30年間に3日の余計なずれが生じ,一年が368日になってしまっていた.
カエサルの遺言で帝国を再興した 妹の孫アウグストゥスは,紀元前6年から西暦4年までの10年間に3回閏年を省略し,さらに西暦8年からユリウス暦の規定通り,4年ごとに閏年を置いた.こうして暦日は再び太陽の運行と一致するようになったが,自分も暦に名を残そうとして,8月「セクスティリス」の月名を,先勝記念という大義名分のもとに「アウグストゥス(Augustus)」と変えてしまう.
しかも,皇帝である自分の月が他の月より日数が少ないのは皇帝の権威にかかわるといって,8月を31日に格上げし,代わりに2月を28日に切りつめたのである.
 

アウグストゥスの改暦

1月

  Januarius

31日

2月

  Februarus

28日

3月

  Martius

31日

4月

  Aprilis

30日

5月

  Maius

31日

6月

  Junius

30日

7月

  Julius

31日

8月

  Augustus

31日

9月

  September

30日

10月

  October

31日

11月

  November

30日

12月

  December

31日

1年

・・・・・・・・・・・・

365日


われわれが現在も一般によく使う「二四六九士(にしむくさむらい)」という言葉のもとは,アウグストゥスが自分の名前を8月に冠せた改暦にあったわけである.
西暦325年,皇帝コンスタンティヌス一世のとき,ニカイヤのキリスト教会議で「復活祭は,春分を過ぎた後にくる最初の満月後の最初の日曜日とする」と決め,春分は,「3月21日」と決定してしまった. それも一日に11分14秒誤差のあるユリウス暦の上で決定したのである.
この誤差が積もり積もって,16世紀には暦の上での3月21日にくるべき春分が,実際には3月11日になっていた.
そこで,ローマ法王グレゴリウス(Gregorius)13世は,1582年10月4日の翌日を10月15日として,そのあいだの10日間を暦から省いてしまったのである.さらに,春分のずれをなくすために「西暦年が4で割りきれる年を閏年とする.ただし,西暦年が100で割り切れても,400で割り切れないときは平年とする.また,閏日は2月28日の翌日2月29日とする」,と閏年のきまりを改めた.これが,現在世界中で使用している暦のはじまりである.
さて,これまで長々と暦の移り変わりと月の名前や日数の決められた経緯を説明してきましたが,最後に月の名前の由来をもう一度まとめておきます.
なお,ここでの月の呼び方は英語の月名を取り上げており,現在でも国によって呼び方は異なっており,その由来も多少異なっていることをご承知ください.
1月の由来は,ローマの神ヤヌスに捧げられた月,「ヤヌアリウス(Januarius)」からきた言葉であるが,ヤヌスは門の神として,ローマの鍵を持ち,戦時には扉を開き,平時には閉じるとされ,二つの顔を持って前方と後方とを同時に向き,適と味方に睨みをきかせ,常に過去と未来を見定めている神であった.
2月の由来は,贖罪の神フェブルウスに捧げた月が語源である.ローマは建国後兵力を保つため隣国の女性� ��奪計画を実行する.いわゆる「サビニ戦争」であるが,サビニの娘たちは,無理矢理結婚させられたとしても,ローマとサビニのために身をなげうって尽くし,平和をもたらしたのである.皇帝は,ローマの犯した過去のいたましい罪をつぐなうため,2月20日に「フェブルアリア」という祭りを催して,サビニ戦争の戦死者の霊をなぐさめたという.
3月の由来は,戦の神マルスが,太陽が真東からのぼる春分と共にローマに君臨し,ローマを戦に誘うといわれていた.マルスは,ローマ建国の祖ロムルスの父親でもあったので,年の第1月を軍神マルスに捧げ「マルティウス(Martius)」(マルスの月)と名付けたのである.
4月の語源,「アプリリス(Aprilis)」というのは,美と豊饒の女神「アプロディテー(Aphrodite)」� �月である.この女神は,ローマ神話の「ウェヌス(Venus)」のことで,愛と美の女神ヴィーナスとして親しまれている.彼女の歩くところには花が咲き,緑草が育ったといわれている.まさに花開く4月である.
英語の5月「メイ」は,豊饒の神「マイア(Maia)」に捧げられた月「マイウス(Maius)」から来た言葉である.春の豊かな実りをつかさどるローマ独自の農業神であった.
英語の6月「ジューン(June)」もローマ神話の女神「ユノー(Juno)」からきているのであるが,2月で記した「サビニ戦争」が休戦に入り平和が訪れたとき,若いローマの妻たちを称えて催した祭りが「マトロナリア(妻たちの祭り)」で,ローマ最高の女神「ユノー」を祭ったことから,「ユニウス(Junius)」と名付けられた.
余談になるが� �英語のヒーロー(Hero)はユーピテルの正妻ユノーにあたるギリシャ神ヘーラの男性形が語源であるといわれる.ユーピテルは,カッコウに姿を変えて,美しい花に飾られた新しい床が待っているユノーのもとを訪れたといわれるが,これがいわゆる,「6月の花嫁」ジューンブライト(JuneBride) の始まりである.
7月以降は,ラテン語の冠数詞が語源であり,先に説明した経緯で2ヵ月ずれたのである.



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