2012年4月26日木曜日

なぜF-35が次期戦闘機に選ばれたのか - Yahoo!知恵袋


次期戦闘機にアメリカを中心に共同開発されているF-35ライトニングⅡのA型が選定されました。ところが、報道や防衛省の資料を見ても、ステルス性能が優れているという理由だけで、詳しい説明がありません。そのため、F-18E/Fスーパーホーネットやユーロファイター・タイフーンが良かったんじゃないかという意見を持つ人も多いようです。そこで、私個人の見方を示して、なぜF-35に選定されたのかを解説したいと思います。

概要

この記事はかなり長いのですが、まず、以下のようなことが書いてあります

  • 日本にはF-2がある!F-18E/Fやタイフーンは要らない。
  • 日本はF-22が欲しかった。仕方ないのでF-35を導入した。
  • F-35はF-22に及ばないが、他の戦闘機を圧倒するステルス機である。
  • ステルス性能は、戦闘機の戦闘を根本的に変える武器である。
  • F-35はレーダーや、光学索敵センサーも充実。
  • データリンクで仲間の情報を共有しながら戦えるなど、F-22より進んだ部分も。
  • F-35は未完成。ただし、それは様々な機能を盛り込み、多彩な兵器に対応するため。
  • とりあえずの機体なら、米軍への納入が始まっている。

では、本文へ。

F-Xの経緯とF-2戦闘機の生産打ち切り

第4世代+戦闘機としてのF-2

 今回のF-Xは、最も古い世代(第3世代)の戦闘機であるF-4Eファントムを更新することが目的です。実は、このF-4Eを更新するのは航空自衛隊のために日米共同開発したF-2戦闘機を当てるはずだったのです。

 F-2は対艦ミサイルを多く装備するためF-16をベースに大型化した機種です。第5世代戦闘機に対抗しうるAESAレーダーを世界で初めて装備し、機体にも複合材料も多く用いた第4世代+と呼ばれる戦闘機です。F-X候補だった、F-18E/Fブロック2とほぼ同じ世代の戦闘機なのです。

 もう1つの候補、ユーロファイター・タイフーンはアフターバーナーを使わずに、超音速巡航ができるというメリットがありますが、実はAESAレーダーを未だ装備していません。タイフーンはトランシェ3という開発中のバージョンで、ようやくAESAレーダーを装備する予定にすぎないなのです。

 このように、日本にはF-2という優れた第4世代+戦闘機が既にあり、同世代のF-18E/Fやタイフーンをわざわざ導入する動機が薄かったのです。

ヒント

  •  AESA(能動電子走査式)レーダーとは多数の半導体素子で構成されるレーダーで、ステルス機の補足に必要な装備の一つとされています。そのため第5世代戦ジェット闘機には必須の装備ですが、1990年代以降に開発、配備された第4世代ジェット戦闘機にも装備されていることがあります。
  •  また、その場合、機体の設計を一部改良してRCS(レーダー断面積)を低減させることが多いです。RCSは文字通り、レーダーに映ってしまう面積のことです。当然、RCSが小さいほうが対レーダー・ステルス性能が高いことを示します。
  •  こうしたものを第4世代+あるいは、4.5世代ジェット戦闘機などと呼びます。ただし、そのRCSは第5世代ジェット戦闘機よりも桁違いに大きいため、ステルス機とは呼べません。
  •  なお、ステルスというと対レーダーをさすことが多いですが、赤外線、光学センサーに対して言われることもあります。第5世代ジェット戦闘機が普及すれば、レーダーばかりに頼らず、赤外線や光学センターで索敵することも多くなり、今後はこちらのステルス対策も重要な課題になると思われます。

F-2の生産打ち切り

 ところが、日本は自民党政権時代、当時の石破茂防衛長官の時代に、このF-2の生産打ち切ってしてしまいます。 F-2の生産打ち切りの真相はよく分りません。

 F-2が欠陥機よばわりされていたからかもしれません。石破氏はいわゆる軍事評論家との共著があるなど、自民党きっての軍事オタクです。しかし、その軍事評論家の多くは、F-2の機体に問題があると主張していました。実際は、初期に発生した問題で、後に解決されました。F-2は増槽(外部燃料タンク)と対艦ミサイルを装備した状態でも、高い機動性を発揮でき、一般市民の前で披露したこともあります。そのため、矛を収めた専門家もいたのですが、事実を確認せず、F-2を欠陥機だと罵り続けた評論家もいました。しかも、そういう人に限って石破氏とつきあいがあったり、国会でも証言するような著名な人ばかりだったのです。


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 これが事実かどうかは、私も確証が持てません。というより、信じがたい話です。しかし、色んな情報を集めてみると、勘違いでF-2が欠陥機とされ、早期に生産を打ち切られた可能性も否定できないのです。

 ただし、F-2生産打ち切りには、もう1つ理由があります。早く第5世代戦闘機、それも航空支配戦闘機を標榜するF-22ラプターが欲しかったということ です。航空自衛隊の幹部も、F-22導入には異論が無く、石破氏の政治決断がF-2を欠陥機だと勘違いした上だとしても、それを敢えて止める動機が薄かっ たのかも知れません。 


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なぜF-22にこだわったのか?

 自民党政権時代、日本政府は一貫して、F-22の情報公開や売却の検討をアメリカ政府に要求し続けました。安倍首相に至っては、首相自ら大統領に直談判して、要請したのです。その理由は、空自の機体数やパイロット、整備員などの定員を減らされてきたからです。これは予算を減らしたい財務省と、防衛力を確保したい防衛省、自衛隊側のせめぎ合いの結果です。そのため、空自側はこの制約の中で、最高の防衛力を手に入れるため、「1機200億円とも250億円とも言われ、従来の戦闘機の2倍の値段でも良いから、F-22が欲しい。」と考え、当時の自民党政権も、中国や復活してロシアの脅威に対抗するため、それを認めていたのです。

 一方、アメリカでは議会が国防総省授権法において、F-22の海外への輸出を禁止していました。その背景には、アメリカもアフガンやイラクでの戦争で疲弊し、財政的に苦しいことがありました。そのため、大枚をはたいて開発したF-22が陳腐化するのを恐れたのです。虎の子は大切に隠して、誰にも触らせたくないということなのです。ただし、当時のブッシュ大統領をはじめとする共和党政権や、軍部には、F-22を日本に供与しても良いんじゃないかという意見もあったようです。だから、日本はもう少し押せば、アメリカ議会も押し切れると考えたのかも知れません。

F-22の生産打ち切り

 ところが、ブッシュ政権最後の国防長官ゲーツは、実際に戦場の兵士が必要とする兵器に重点を置くべきだと言い出します。つまり、F-22のような虎の子は、もう十分だ、生産を打ち切ろうという方針を出したのです。そして、日本に対しても「F-22は法外な値段だ。日本の財政にとっても良くない。F-35の方がリーズナブルであり、お勧め出来る」と言い出したのです。ブッシュ大統領は既に末期だったこともあり、この方針を棚上げし、決断を下しませんでした。しかし、ゲーツ長官は政権交代し、民主党のオバマ政権になっても留任となりました。そしてバマ大統領はゲーツ国防長官の進言通り、F-22生産売り切りを決定してしまいました。

 途端場になって、今度は議会の中で、F-22打ち切りに抵抗する動きが出てきます。F-35はまだ開発中で、量産が始まっていません。なのに、F-22の生産を売り切れば、生産ラインが止まり、従業員がクビになるかも知れません。軍需産業をお膝元とする議員にとっては、受入れがたい問題でした。しかし、オバマ政権は米軍による購入をするつもりがありません。そこで、海外輸出を禁止していた法律を改正して、輸出バージョンの開発予算を付けようという動きが出ました。しかし、F-22とF-35の主開発メーカーは同じであり、メーカーは生産打ち切りを巡って政府と争う動機が大きくなかったようです。そのため、議員の動きも鈍くなり、日本のF-22購入計画も頓挫してしまったのです。

 ただし、公平のため付け加えれば、輸出禁止されていたF-22を敢えて「売って欲しい」と頼んだのは、日本だけではありません。イスラエルやオーストラリアも、「F-35よりもF-22が欲しい」と無理を承知で、何度もアメリカにせがみました。オーストラリアでは既にF-35開発計画に参加しているのに、議会から「F-22の方が良い」という声が出たそうです。だから、アメリカにF-22の供与を断られたのは日本だけではなく、単純に日本の自衛隊や政治家が判断能力に乏しかったと決め付けるべきではないのです。

F-35とF-22の違い

F-22もF-35もマルチロール

 「F-22は空対空専門の戦闘機、F-35は空対地や空対艦の攻撃機という役割分担がアメリカ軍にもある。だから、F-35を空対空任務で使おうとするのは、間違いだ」という人がいます。名だたる軍事評論家でも、そのように言い切る人がいます。F-22は米空軍の先進戦術戦闘機計画で選定され、F-35は空軍、海軍、海兵隊共通の統合打撃戦闘機計画で選定された機種だから、別物だと思う人がいるのかも知れません。しかし、これは間違いです。


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 F-22が空対空任務に専念する運用をされている事は事実です。しかし、F-22も地上攻撃が出来るんです。精密爆撃を行うJDAMや対地上レーダー攻撃用ミサイルの運用能力があります。開発の段階では、F-22ではなく、F/A-22と呼び、アメリカ議会に「F-22は色んな場面で役に立ちます」とアピールしていた事もあります。

 F-35も攻撃任務だけでなく、空対空での戦闘にも従事する予定です。F-35とF-22の開発メーカーは同じ、ロッキード・マーティンです。異なる開発計画で選定されたことは事実ですが、F-35はF-22の設計を参考にして、軽量化とコスト低減を目指して開発された機種なのです。また、空対空を任せるはずだったF-22は200機足らずしかありません。そのため、F-22だけで足りず、F-35も空対空の任務を担ってきたF-15の後継とされているのです。

ハイローミックス

  •  F-22とF-35の第5世代ジェット戦闘機の組み合わせは、ハイローミックスと呼ばれます。第4世代ジェット戦闘機におけるF-15とF-16の組み合わせも同様です。F-22やF-15がハイF-35やF-16がローに当たります。
  •  ハイとはその当時の最先端の技術を結集して作られた戦闘機です。防衛は国民や兵士の生命にかかわる重大な問題です。そのため、価格が高くても、圧倒的な性能で確実に勝利し、パイロットも無事に帰還できる戦闘機が求められるのです。
  •  ただ、国家予算には限度がありますし、防衛上も一定の機体数を用意し、広い国土の防衛や、同盟国への供与にあてる必要があります。そこで、ハイの開発で生み出された技術を生かしつつ、より低コストで生産でき、メンテナンス費用も安く、多数配備できるような戦闘機も必要になります。これが、ローなのです
  •  当然、ハイに当たる戦闘機は一番重要な任務、自国領空の防衛などに用いられます。うっかり、撃墜されて、敵の手に機体や部品がわたることも避けねばなりません。そのため、ハイにあたる戦闘機は、対地上攻撃任務に用いることは躊躇される傾向があります。ただし、技術が陳腐化すれば、その限りではありません。実際、F-15は空対空専用の機種でしたが、後にF-15Eという戦闘爆撃タイプが開発され、湾岸戦争以降、地上攻撃任務に投入されています。

どこが違うのか?

 F-35とF-22の違いは、まずエンジンの数ですF-35は単発、F-22は双発です。また、F-22はマッハ1.7での超音速巡航が可能だと言われています。一方、F-35は超音速巡航ができませんF-22のものをパワーアップしたエンジンを搭載していますが、当初計画より機体が重くなったためです。また、F-22は機動力を高めるため、エンジン排出部分にパドルを付けて、ジェット推力の方向を変更する機能がありますが、F-35にはありません。

 さらに、F-35は機体が小さいため、レーダーもF-22より一回り小さく、若干性能が落ちると言われます。ステルス性能をしめす、RCSも、F-22より一桁大きい、つまりレーダーに映りやすいといわれています。

 そのかわり、F-35は地上や艦船を攻撃するための各種センサーや、ステルス機を赤外線で探すためのIRSTなどF-22よりも豊富な電子装備を持っています。さらにF-22よりも高性能なコンピューターを搭載しており、これらと自機のレーダー、仲間の情報と統合するデータリンクやデータ統合の機能も上です。


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 このように、違いこそあれ、F-35も空対空任務に適した戦闘機なのです。F-22が導入出来ないなら、代わりにF-35を導入するという選択は間違っていません。また、アメリカ空軍でも、F-22が足りないからF-35で補う計画であることを認識するべきでしょう。
 この他、F-35の機内兵装庫が小さいことを問題視する人もいます。自民党の石破氏も、多数配備されている中国の第4世代戦闘機を相手にするなら、結局は機体外にミサイルを搭載せざるを得なくなるから、F-35のステルス性に大きな意味はないとの指摘をしています。 しかし、F-35は機内兵装庫に中距離空対空ミサイルAIM-120を4発搭載できます。今後、機内兵装庫に回転ラックを設けて、小型のミサイルなら多く搭載できるようにする計画もあります。ステルス性の高い第5世代機が第4世代戦闘機を相手にする場合は、視野外からミサイルを放ち、敵機を撃墜するワンサイドゲームです。もちろん、ミサイルが外れることもあるでしょう。それでも、F-35で2~3倍の数の戦闘機を撃墜できます。空中戦では兵器の性能の差が戦力の差に直結する傾向が高いことを忘れてはなりません。

超音速巡航は必要ではないのか?

  •  もともとアメリカでは第5世代ジェット戦闘機には、ステルス性だけでなく、超音速巡航(スーパークルーズ)も必要だと言われていました。しかし、F-35が超音速巡航できないため、この条件をひっこめた感があります。もし、超音速巡航が重要な条件であるというなら、F-35より、むしろユーロファイターの方が第5世代っジェット戦闘機と呼ぶにふさわしいのかもしれません。
  •  では、超音速巡航のメリットは何でしょうか?
  •  一つは文字通り、速く飛べることです。超音速巡航の持続時間は30分ほどしかないので、早く目的地に着けるとしても、大きな差はありません。それよりも、敵地に殴り込み、攻撃した前後に超音速巡航を行えば、敵の対空砲火は目標を定められません。
  •  二つ目は、速く飛ぶことで高熱のジェット排気が空気と混ざりあい、温度が下がります。このため、熱(赤外線)を探知して追尾するミサイルから逃れやすくなることです。
  •  三つ目は、爆弾投下時に超音速巡航すれば、爆弾を遠くに投げるのと同じ効果があります。投下した後は方向を変えて逃げれば、敵の反撃を受けにくくなるんです。
  •  このように超音速巡航は、事実上、ステルスを補完するものといえます。また、意外かもしれませんが、上攻撃を行う場合の方が、超音速巡航のメリットが大きいように思えます。空対空を専門として運用する場合、超音速巡航はできた方が良いものの、不可欠とまでは言えないのかもしれません。そう考えると、やはり日本のF-XにF-35が選ばれたことは、間違いではないように思われます。

本当にF-35で良いのか?

それでも、F-35に不安だという人はいるでしょう。

F-35は完成するのか?

 いずれは、完成するでしょう。特に、F-35Aの開発が放棄されることはありません。アメリカにとっても、F-22の生産を打ち切った以上、F-35Aは不可欠な戦闘機だからです。また、開発中とはいえ、初期低率生産は始まっていて、一部の機体は米軍への納入が始まっています。だから、開発中といっても、最終調整段階だと言うべきです。そこでは様々な不具合が出ていますが、これらは部品の交換や修理、ソフトウェアのアップデートで対応する事になります。

 日本は2016年までに納入が間に合うよう、条件を付けています。これには、アメリカ側が保証に応じていないという報道もあります。しかし、初期生産型の機体がある以上、後日の修正が許されるなら、機体の納入はさほど難しい課題ではないのかも知れません。

 それに、今回のF-X候補で未完成なのはF-35だけじゃありません。上述のように、欧州が日本に提案したタイフーンのトランシェ3は、やはり開発中の機種です。今欧州諸国に導入されているのは、トランシェ2以前の機体であり、第5世代戦闘機に対抗するためのAESAレーダーを装備していません。完成している候補は、F-18E/Fだけだったのです。


落選した候補は本当にダメなのか?:ユーロファイター・タイフーンの場合

 開発中でも良いから、タイフーンを導入すればよいという人もいるでしょう。空対空任務としては実績もあるし、イギリス軍がリビア介入に使用し、戦果を挙げています。ノーブラックボックス、90%以上のライセンス生産が可能、さらに実戦データまで提供されると、至れり尽くせり。問題があるなら、F-35同様、後で修正すればよいのかも知れません。

 しかし、ノーブラックボックスというのは、隠す必要がないと言うことです。既に述べたようにタイフーンに搭載するAESAレーダーが未完成だから、日本側で勝手に改造しても良いと言っているのです。タイフーンの機体とエンジンは確かに優秀です。しかし、F-35のエンジンの方が性能は上です。なにせ、F-22のエンジンの改良型ですから。

 また、タイフーンの優位性である超音速巡航もマッハ1.3程度であり、F-22のマッハ1.6程度とは開きがあります。それに超音速巡航も、実際の持続時間は30分程度だそうです。アフターバーナーを使った音速突破が2,3分しか持たない事を考えると10倍と飛躍的な伸びなのですが、何時間も超音速で飛べる訳じゃないんです。

 落選した候補は本当にダメなのか?:F-18E/Fの場合

 唯一の完成機であるF-18E/Fについては、オーストラリアがF-35導入までの中継ぎとして導入しています。しかし、オーストラリアと日本では事情が違います。オーストラリアにはF-18E/Fを除くと、F-18の旧型(レガシーホーネット)しか戦闘機なんです。一方、日本にはF-2があります。だから、オーストラリアの場合はF-18E/Fの導入が正解でも、日本ではそうではないのです。

 また、F-18、F-18E/Fは機体特性上、加速性能が悪いため、不審機の領空侵犯を防ぐスクランブル任務には向いていないと言われています。また、現在はF-18E/Fでも空対空戦闘で負けることは少ないでしょう。しかし、同世代の戦闘機とドックファイトする場合は、やはり加速性能の悪さは不利になります。特にロシアはSu-35という第4世代+戦闘機の配備をそろそろ始めるはずです。F-18E/Fでは、このSu-35に確実に勝てるかどうか怪しいんです。

 このSu-35との対戦をシミュレートした結果がしたのこちらのURLにあります。これによれば、タイフーンは4対1の割合でSu-35に勝てるそうです。しかし、F-18+、おそらくF-18E/Fブロック1だと思われますが、1対3の割合で惨敗すると予測されています。ブロック2はもう少し強いはずですが、それでもSu-35と互角になるかどうかは不明です。このデータはタイフーン陣営のものなので、割り引いて考える必要がありますが、ある程度は参考になると思います。

 いずれにせよ、アメリカ海軍がF-35Cを導入しようとしているのも、やはりF-18E/Fでは将来の戦力として不十分だからだと思います。

F-35が必要な理由

 そして、何より重要なのは、タイフーンにせよ、F-18E/Fにせよ、ステルス性能は若干程度しかないことです。両者のRCSは0.5~1平方mと言われています。一方、F-35は0.0015平方mだそうです。F-22より一桁多いといっても、他のF-X候補と比べると2桁も少ないんです。これは決定的な優位です。その上、F-18E/Fやタイフーンは機内兵装庫(インターナルウェポンベイ)がないため、ミサイルを胴体や主翼の端や下にぶら下げて装備するしか方法がなく、この場合はRCSが更に大きくなり、ステルス性が低下します。そのため、F-X候補同士で、空対空戦闘をさせれば、F-35は他の機種が気づかないうちに一方的に撃墜してしまうでしょう。
 また、 機内兵装庫があることで、F-35は標準的なミサイルを装備しても、ステルス性能だけでなく、空力性能も落ちません。このことは、仮にドックファイト(空中格闘戦)になった場合にも有利です。最高速度や旋回性能、航続距離などでF-35は劣ると言われますが、これはF-35が機体外にミサイルや増槽を装備しないという厳しい条件での数字を示しているためです。逆にいえば、F-18E/Fやタイフーンの方が期待を裏切る可能性も高いということなのです。


 ロシアが開発中のT-50(PAK-FA)や中国のJ-20は、詳しい性能が分りません。おそらく、F-35はこうした新興国の第5世代戦闘機と対抗することになります。T-50 やJ-20の性能が大した事がなければよいのですが、戦闘機の開発、改良には時間がかかるので、前もって対処する準備を行うべきです。また、前節で述べたように、ロシアのSu-35はかなり手強いです。これが北方領土に配備される可能性もあります。その時、確実に日本を防衛できるのは、F-35しかありません



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